[出版社 内容紹介]

メディアには日々、「ESG(環境・社会・企業統治)」があふれています。この言葉を抜きには企業経営や財務戦略、株式投資は語れなくなっていますが、成り立ちや意味するところがきちんと理解されているとは言えません。単なる欧米の流行言葉ではなく、世界的なビジネスの常識となっているESGをきちんと理解しなくては後悔することになります。

ESGによって企業の情報開示や経営戦略、投資家の顔ぶれなど、資本市場のエコシステム(生態系)ががらりと変わることになるのです。またバイデン次期米大統領は環境問題を重視するスタンスを示していますので、ESG重視のトレンドは加速するばかりです。

本書は、(1)ESGの盛り上がりに「乗り遅れた」と思っている人向けの基礎的かつ包括的な解説 (2)「ESG=市場のエコシステムの変革」の切り口を提示。解説本を超えた未来予測も行う 既刊書では2017年刊行の『ESG投資』(日経出版刊)が信頼できる本としてロングセラーになっていますが、この数年でESGをめぐる環境は激変しています。

このテーマはどうしても環境に偏った記述が多くなりがちですが、本書は投資家、ビジネスパーソン目線で、最新事情を踏まえて、バランス良くそのインパクトを解説します。

[目次]

  • 第1章:いつの間にかESG

    1. 2006年の国連PRI…表の主役は国連、影の力は投資銀行
    2. 2015年のビッグバン…SDGs、パリ協定、TCFD
    3. GPIFというエンジン…日本における伝道師に
    4. リーマンとコロナ…危機のなかで資本主義の新パラダイムを考える機運
    5. ESG前史…ベースは社会的責任投資(SRI)の伝統
  • 第2章:投資家が変わる

    1. 投資も慈善も…リターンは犠牲にしない
    2. 組み込まれるESG…環境・社会要素は銘柄選択の前提
    3. アクティビズムとの融合…物言う株主の社会改良
    4. ヘッジファンドもESG…短期利益の追求も社会、環境
    5. 売るべきか、持つべきか…ダイベストメント(投資撤退)は有効か
  • 第3章:企業が変わる

    1. 統合報告書の虚実…日本企業は数は多いが、国際評価は南ア以下
    2. 市場との対話…ESGに特化した説明会、効果はあるのか
    3. 新興企業とESG…大企業になるにはESGは必達か
    4. サプライチェーン総点検…(2)次、3次、4次下請けの労働環境まで評価の対象
    5. 日本的経営、再評価…? ESGは現代の「3方よし」か
  • 第4章:財務が変わる

    1. インパクト会計…環境への影響などを損益に反映させる動き
    2. 人件費は利益…ESGでは人件費はコストではない
    3. 国際会計が動く…IFRS財団がESG基準統合の動き。日本の動きは
    4. 社会監査の時代…数字や帳簿のチェックだけが監査ではない
    5. CFOからCSOへ…財務(Finance)だけでなく持続可能性性(Sustainability)
  • 第5章:勢力図が変わる

    1. 金融振興の主役はNGO…環境金融は金融センターの目玉
    2. NGO投資家…株主提案で一定の実績
    3. 企業と対話も…海外では企業のIRとNGOの対話が常態化。日本のメガ銀も
    4. 調査力を武器に…草の根情報をデータベース化し、ランキングも。企業は戦々恐々
    5. 昔GS、今NGO…米投資銀行に行くような人材がNGOに就職する時代
  • 第6章:アルファベットスープの海を泳ぐ

    1. ESGはアルファベットの省略用語が多く、混乱を招いている面も。「アルファベットスープ現象」。主要なアルファベット用語の説明と相互の関係を説明。(付録的な用語集)

[書籍情報]

  • 著者:小平 龍四郎
  • 出版社:日本経済新聞出版
  • 発売日:2021-02-16
  • ページ数:240頁
  • 価格:900円+税